毎日一語、中国語~ミーム
まだ辞書に載っていない中国語の新語をひたすら書き連ねていきます
ミーム(meme)/インターネットミーム(internet meme)
「ミーム」ってコトバ、知識人の人とかがたまに言ってますよね。
Wikipediaによると
脳内に保存され、他の脳へ複製可能な情報である。例えば習慣や技能、物語といった社会的、文化的な情報
だそうですよ。流行語大賞やら都市伝説みたいなもんですかね。
それのインターネット版を中心に、中国語で何て言うのか調べてみました。たぶん中国語のほうが分かりやすいと思います。
梗/网络模因/网络迷因/媒母/网络爆红
いろいろある!中でも私の一押しは
梗
です。
台湾発の新語。本来は哏 で芸人の「ギャグ」「持ちネタ」の意味。誤字である梗のほうが広まりました。gag(ギャグ)の発音に近いせいかも。
これが転じて、いわゆる「ネタ」(お約束)の意味で使われるようになります。テンプレネタ、ネタ画像などの「ネタ」です。neta、捏他 と表記されることもあるように、日本のマンガ、アニメやドラマの画像にキャプションを追加したネタ画像がよく貼られています。銀魂とか半沢直樹とかね。リア充爆発しろなんかも梗。
模因/迷因/媒母
模因、迷因は当初からmemeに当てられている訳語です。ミーム学(memetics)など学術的な話題の場合も使いますが、前にネット(网络)を足すことで、幅広くネットミームを意味します。
ミームは遺伝子(基因)のように複製(模仿)され伝達されるもの、ネットミームはみんなが夢中(迷)になって拡散していくものなのでうまい訳語。
有名人、キャラ、動物のイラストや写真に面白いキャプションを付けたものから、都市伝説、歌、ジェスチャーやダンスまで多種多様です。武汉加油みたいなのもミーム。
媒母は音訳ですがメディア(媒体)を連想させるあたり、やはりうまい訳だと思います。
网络爆红
ネットで流行している(バズっている)コトやモノ全般です。一番分かりやすい訳語じゃないかな。インターネットバズとどう違うかのかと言われると…まぁ似たようなもんでしょ。
大陸の報道によると2020年の网络爆红は次の通り。
- “人民至上,生命至上” (「人民は至上、生命は至上」。新型コロナ蔓延時のスローガン)
- 逆行者 (新型コロナのパンデミック時に黙々と働いた医療関係者に対する尊称)
- 后浪 (国家一級芸能人何冰による次世代に向けた3分52秒のメッセージ動画。ビリビリ動画で2500万回再生されたらしい。ん?大陸で2500万って特に多くもないんでは??bilibiliでってところがスゴいのかな???)
- 飒 (クールでカッコイイ女性に対する褒め言葉。飒 は風の音の擬音、または飒爽「颯爽としている」の飒。 你太飒了!などのように使う)
- 神兽 (我が子のこと。「うちの怪獣」ではなく「うちの神獣」なのは、伝説上の神獣のように貴重で守るべきものでお金がかかるからだそう)
- 直播带货 (天猫が2019年に始めた独身の日のライブ配信型ネット通販、ライブコマースのこと)
- 双循环 (習近平さんが提起した新たな経済成長モデル。内需と貿易の両方を頑張って、両方の経済を好循環させること)
- 打工人 (日々働いてる人の呼び名らしい。日本語の「社畜」みたいに自虐ネタで使われる)
- 内卷 (インボリューション。突破力を伴わず内向きに発展する現象のこと)
- 凡尔赛文学 (ベルサイユ文学。池田理代子先生の不朽の名作漫画「ベルサイユのばら」のアントワネットのようにゴージャスな表現で自虐や自慢をすることらしい)
参考サイト 中外2020年度“热词”盘点 你最常用哪些流行语?_新华报业网(国内外の2020年度バズワードを点検 よく使われた流行語は?)
何が面白いのかさっぱり分かりません。なんか作為的なものを感じるしね。
あ、早速大陸ネット民が「フェイクニュース」「新型コロナは?」「都市封鎖がないのはおかしい」「北斗は?嫦娥は?中印衝突は?米大統領選は?ファーウェイは?」と文句を言っていますw
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コトバは生き物です。上記はあくまでも現時点で主流の言い方です。