しーらかんす式

音楽と日本語と中国語のブログ

毎日一語、中国語~パンデミック、感染症の世界的大流行

まだ辞書に載っていない中国語の新語をひたすら書き連ねていきます

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パンデミック感染症の世界的大流行(pandemic)

感染症が広範囲に大流行している状態こと。2020年1月に新種の感染症である新型コロナウイルス感染症が確認されてから頻繁に使われるようになった。

感染症とは、病気になった人や獣が持っている病原体が、別の人や獣の体内に入ることで感染する病気のこと。

 

新型コロナ以降、「感染症」という語を日常的に聞くようになりました。以前言っていた「伝染病」というのは最近聞かないな、と思ったら、1998年に感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律というものができ、法定伝染病、指定伝染病という言い方が廃止されたそうです。

 

 

 

疫情全球大流行 [yìqíng quánqiú dàliúxíng] /〇〇全球大流行 [quánqiú yìqíng “dàliúxíng]/瘟疫 [wēnyì]

基本的に"疫情全球大流行"または〇〇に感染症の名称を入れる形でOK。新型コロナなら"新冠肺炎全球大流行"になります。

『中国語新語ビジネス用語辞典Ver.3.0』にはパンデミック"大流行"とありますが、"大流行"だけだと何が流行してるのか不明ですからね、やはり。

"瘟疫"は、実はパンデミック感染症の大流行)に一番ぴったりな言葉だと思うんですが、少々昔っぽいの言い方なのか、現在進行形の新型コロナではあまり使われていません。

英語の"pandemic"は形容詞、または名詞で感染症のこと

"pandemic"は本来形容詞で「全国に流行している」、「広範囲に及ぶ」という意味。

しかし英語では「世界的な感染症」の意味で名詞として使われています。テドロスさんも2020年3月11日の記者会見で、We have therefore made the assessment that COVID-19 can be characterized as a pandemic. と、名詞形で言っていました。

日本語の「パンデミック」は名詞で「大流行」のこと

本来の意味は「大流行」ですが、今のところ「感染症の世界的な大流行」の意味で使われています。
(参考:WHO「新型コロナウイルスはパンデミックと言える」 | NHKニュース

  • 英語:感染症のこと
  • 日本語:感染拡大状況のこと

というわけです。

中国語も名詞で感染拡大状況のこと

では中国語ではどうなのかと言うと、なんと日本語と同じ!基本的に「感染拡の大流行」の意味で訳しています。

パンデミックの中国語報道を比較

2020年、中国語メディアがどんなふうにパンデミックを訳したのか調べてみました。

大陸メディア

 "大流行""大行动"が対句になっている。こんな時でも修辞に走るとは、流石だ。

海外メディア中国語版

このように欧米メディアもテドロスさんの"pandemic"を"大流行"と訳しています。

台湾
 香港

"pandemic"を「大流行している感染症」の意味で訳しているメディア発見。

あれ?でも"疫情""流行病"(感染状況=感染症)って、辻褄合わないですね。

 でもやっぱり香港でも通常は「感染症の大流行」の意味で訳しているようです。

 

 

 

コトバは生き物です。上記はあくまでも現時点で主流の言い方です。