まだ辞書に載っていない中国語の新語をひたすら書き連ねていきます
フェイクニュース/虚偽報道/捏造記事(fake news)
意図的に伝えられたウソの情報、根拠のない情報のこと。
「フェイクニュース」という言葉は2016年の米大統領選挙以降有名になったが、虚報、捏造、デマ、風説、流言飛語の類は古代から存在する。ただし技術の進歩によって、情報が急速に、広範囲に伝わるようなったうえ、誰もが情報発信できるようになったことから、ニセ情報が及ぼす影響も大きくなっている。
わが国では「フェイクニュース」という言葉をメディアが使う場合、トランプ米大統領の発言を引用するかSNS上のデマを伝えることが多い。いっぽうネット民が使う場合、メディアの印象操作を指すことが多い気がする。
假新闻 /捏造新闻
假新闻は2016年に誕生した新語。(それまではデマやウソの情報=捏造、谣言、流言蜚语などでした。)きっかけはもちろん2016年の米大統領選挙です。よって、中国語メディアが假新闻を使う場合は、やはりトランプさん絡みの報道が基本です。もしくは海外のおもしろニュースやびっくりニュース。
大陸メディアに限って言えば、他国の中国批判を假新闻と否定したり、目下険悪な状態にあるファイブアイズ+インド、台湾、香港などの報道を假新闻と決めつけているのをよく見かけますね。
あと、外交部報道官が、海外メディアのイヤ~な質問を一言で切り捨てる時に多用してます。
以前から報道されている盗聴問題について質問された汪文斌報道官、「中国がアフリカ連合本部を盗聴しているという報道は真っ赤なウソ、フェイクニュース」と応じました。
汪文斌说“中国监听非盟总部”是彻头彻尾的假新闻-新华网(2020年12月21日付け)
こんな具合に新語"假新闻"を有効利用している大陸政府ですが、ネットのニセ情報に苦慮している点は他国と変わりません。わが国でもありますよね。煽り運転のガラケー女特定!とか地震発生直後にライオンが逃走中!とか。大陸でもいろんなデマが拡散しているようで、政府はこんなサイトを設置しています。
中国互联网联合辟谣平台(中国ネット情報ファクトチェックサイト)
運営は中共中央网络安全和信息化委员会办公室(サイバーセキュリティ及び情報化委員会事務所)です。なかなか面白いですよv
たとえば
- 冷たい水で薬を飲むとガンになる
→そんなわけありません。でも氷水や熱湯で飲むのはやめましょう。 - 「おはよう」、「おやすみ」スタンプを使ってる人はハッカーに狙われる
→使い古されたデマです。だまされないで! - ずーっとスマホ画面を見ていると黄斑変性になる
→単なる老化です。
こんな感じで個別のデマについて専門家がアドバイスをしています。日本でもやればいいのに。こないだIT担当大臣になった人とかが。
新型コロナ関連デマの特設コーナーもありますね。
- 江南大学の研究チームが発表、毎日焼酎を1合飲めば新型コロナに感染しない!
→その大学が研究しているのは焼酎の品質。効能ではありません。 - 国務院が以下の規則を決定:新型コロナウイルス変異種の感染拡大防止のため、1月15日以降大型トラックの使用を禁じ、1月20日以降全職場を休業とする。
→デマ。 - 石家庄で新型コロナが流行。200人以上が死亡した。
→デマ。通報を受けた保定市のサイバー警察が即刻捜査。デマを流した27才男を逮捕しました。
う~ん、かなり敏感になっているようですね。政府も人民も。
面白くて対応迅速な素敵サイトですが、同時にこういうのも掲載しちゃってます。
- 米政府、またしても新型コロナウイルスの起源に関する陰謀論を蒸し返す
- 国家安全のためなら何も恐れない!香港政府、海外の批判に反論
- インドの中国大使館、チベット問題に関するインドメディアのフェイクニュースを批判
こういうの見ると「あれれ?他の情報もデマとは言い切れかな??」と思ってしまいますよね。まっしゃーないか、中国だし。
最後にネットでよく見かける標語?みたいなのをご紹介~。
- 造谣一张嘴,辟谣跑断腿
「捏造は口先ひとつでできるが、デマを打ち消すのは骨が折れる」
ふむふむ。好事不出门,坏事传千里 「悪事千里を走る」(よい事は明るみに出ないが、悪い事は千里先まで伝わる)とも言いますしね。
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