毎日一語、中国語~ファイブ・アイズ
まだ辞書に載っていない中国語の新語をひたすら書き連ねていきます
ファイブ・アイズ(Five Eyes/Five Eyes Agreement/Five Eyes Alliance)/UKUSA協定(United Kingdom-United States of America Agreement)
ファイブ・アイズ「5つの目」とは、UKUSA協定締結国である英、米、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5か国のこと。
生物の目は一対=2つあることが多いが、国はひとつということらしい。
UKUSA(ユークーサ/ウクサ)協定とは、第二次大戦中に英米の諜報部門が結んだ情報共有の枠組みのこと。
第二次大戦で日本軍が使用していた暗号パープルの解読に成功していた米国と、ナチスの暗号エニグマの解読に成功していた英国が、互いが保有する機密情報の共有に合意したことが端緒とされる。
その後、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが加盟。UKUSAは世界規模の機密情報共有グループに発展した。UKUSAが使用しているとされる通信傍受システムはエシュロン(Echelon)。有名だよね!
五眼联盟 /五只眼睛 /英美协定
2020年11月、中国外交部のコワモテ報道官、趙立堅さんの「失明しないように気をつけろ」発言は記憶に新しいですよね。
そう。現在ファイブ・アイズの主要監視対象とされているのは中華人民共和国なのです。11月、ファイブ・アイズ5か国は香港問題について共同声明を発表し、懸念を表明。
www.newsweekjapan.jp「懸念」ですよ。「非難」でもないんですよ。
この「懸念」に関するブルームバーグ記者の質問と趙立堅報道官の返答です。
彭博社记者:美国、澳大利亚、加拿大、新西兰和英国外长发表联合声明,要求中国政府重新考虑针对香港立法会议员的行动,并立即恢复有关议员资格。中方对此有何回应?赵立坚:你说的是“五眼联盟”吧?(记者点头)
中国人从来不惹事,也从来不怕事。不管他们长“五只眼”还是“十只眼”,只要胆敢损害中国的主权、安全、发展利益,小心他们的眼睛被戳瞎!
我们对有关国家公然违反国际法和国际关系基本准则,对属于中国内政的香港事务说三道四、指手画脚,表示强烈不满和坚决反对。
ブルームバーグ記者:
アメリカ、オーストラリア、カナダ、ニュージランドそしてイギリスの外相が共同声明を出しました。香港立法会議員に対する措置を再考し、彼らの議員資格を至急回復するよう求める内容です。このことに関する中国政府の考えは?
趙立堅報道官:
おっしゃっているのは「ファイブ・アイズ」のことですね?(記者うなずく)
中国はこれまでトラブルを起こしたことはないし、恐れるものもありません。ファイブ・アイズの目が5つあろうと10あろうと、中国の主権、安全保障、利益を厚かましくも損なおうとするなら、目を突き刺されて失明しないよう用心したほうがよろしい。中国政府は、国際法と国際間の基本原則に公然と違反して、中国の内政問題である香港関連業務に意見したり勝手な批判をする国々に対し、強い不満と断固たる反対を表明します。
--2020年11月19日趙立堅外交部報道官定例記者会見 中華人民共和国外交部
(しーらかんす訳)
すごいでしょ。これ、日本の外務省に相当する国家機関の記者会見での発言ですよ。しかも公式サイトに堂々と掲載しているんだもんなー。ちなみに人民日報日本語版では、失明のくだり、カットされていました。
趙立堅報道官は私が密かに注目している人物。外交部の報道官は皆さんボキャブラリーがすごいけど、この方の発言も修辞と成語と慣用句の洪水です。「戦狼報道官」として日本のテレビでも紹介されてました。
小心他们的眼睛被戳瞎!の戳 は「突き刺す」。
何で突き刺すのかまでは言ってませんが、呂布とか張飛とかが戟や矛でずぶーーーっとやるイメージですね。
不管他们长“五只眼”还是“十只眼”は、ファイブ・アイズ加盟を検討しているフランス、日本などに対する皮肉と見ました。
こういう戦国時代みたいな国、しかも14億の人口の国が隣りにいるってことを、日本人はもっと意識しといたほうがいいと思うんだけどな。
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コトバは生き物です。上記はあくまでも現時点で主流の言い方です。