しーらかんす式

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毎日一語、中国語~米中戦略経済対話

まだ辞書に載っていない中国語の新語をひたすら書き連ねていきます

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米中戦略経済対話(U.S.-China Strategic and Economic Dialogue/S&ED)

べいちゅうせんりゃくけいざいたいわ

2009年4月、米国大統領に就任したバラク・オバマ大統領と中華人民共和国胡錦濤国家主席が設立を合意した米中2国間の対話メカニズムのこと。前身は2006年にブッシュ大統領胡錦濤国家主席が合意した戦略経済対話。

さまざまな懸案事項を緩和、解決し、相互信頼の構築、協力強化などを目指すことを目的に、2016年まで合計8回行われた。

オバマ政権は米中2国を「G2」と表現。経済、金融、核問題、テロ対策、エネルギー、気候変動、中東や朝鮮半島の問題など幅広い課題を議論したが、米国が重視した貿易不均衡、人民元切上げについては進展を見なかった。

2017年、米国大統領に就任したトランプ氏と習近平国家主席によって発展的に解消された。

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その後トランプさんと習近平さんは、米中包括的対話という新しい枠組みを立ち上げ、2017年に第1回米中包括的対話を開催しています。

 

 

 

中美战略与经济对话 [Zhōng-Měi Zhànlüè yǔ Jīngjì Duìhuà]

2009年に始まった対話の名前です。

ちなみに2006年のほうは"中美战略经济对话""与"がありません。英語のほうも"and"なしで"U.S.China Strategic Economic Dialogue (SED)"。

2009年に始まった"中美战略与经济对话"は、オバマ政権の誕生により、米国が対中消極姿勢を取った頃に始まりました。当時、中華人民共和国の経済は世界3位から世界2位に移行する最中。オバマさんは人権問題でごちゃごちゃ言ってこないし、中国共産党政府にとって、いい時代だったんでしょうね。

アメリカは"talks"、中国は「ハイレベル戦略対話」

2021年3月にアラスカで行われた米中協議。興味深かったですね。

大陸では日本での報道から半日くらい遅れて、ぽつぽつと報じ始めました。「王毅外相、昼食はインスタートラーメン」とかどうでもいいことから出始めて、その後映像や発言内容に移行し、さらには「米中戦略対話の美女通訳」が検索ワードランキング入りするとか、なんか面白かったです。

で、大陸メディアは、この協議のタイトルを"中美高层战略对话"と報じました。よき時代だった2009年の"中美战略与经济对话"の後続版にしたいなぁとか、ちょっと期待してたのかな?

ところが米国側のタイトルは"US-China talks"とシンプル!

米中高官が直接協議、バイデン政権下で初 冒頭から激論(ロイター 2021-03)

これ、もしも開催地が中国大陸だったら、"中美高层战略对话"って立派な文字をバーーンって掲示してたと思う。で、米側の偉い人、漢字読めないから誰も指摘せずにそのままになってたりして。

ちなみに、日本の報道は「米中会談」、「米中トップ会談」でした、さすがに。その後、大陸メディアも"中美高层对话"にトーンダウンしています。

 

 

コトバは生き物です。上記はあくまでも現時点で主流の言い方です。