毎日一語、中国語~アメリカンチェリー
まだ辞書に載っていない中国語の新語をひたすら書き連ねていきます
アメリカンチェリー/ダークチェリー(bing cherry)
日本のサクランボより大粒で濃い赤紫色をした輸入サクランボのこと。
日本で売られているものはほぼアメリカ合衆国産で、うち9割が"bing cherry"という種類である。よって、アメリカンチェリーとかダークチェリーとかの名前は、日本で勝手に言っているだけらしい。
こういうのですね。
でも日本人ならやっぱり日本のサクランボのほうが好きでしょ。だけど日本のサクランボはとてもお高い!1粒数千円とかの高級品もあるくらいで、まさに赤い宝石。
なのでアメリカンチェリーって、やっぱりサクランボの代用品だと思うんですよ。1パック398円とか498円とか?くらいで売ってますからね。
车厘子
最後の"子"は3声なのか軽声なのか不明ですが、ともかく"车厘子"です。
なんだ"车厘子"って!チェリー=サクランボだから"樱桃"だろ、"美国樱桃"だろ!とお思いでしょうが、"车厘子"なんです。広東語(ちぇーれいじ)からの移植っぽい。
どうやらわが国で
と区別しているのと同様に、中国大陸でも勝手に区別したようなんですね。なので、中国大陸産のサクランボ="樱桃"、輸入したサンクランボ="车厘子"です。
この"车厘子"。近年、突如として大陸で大ブームになっています。なぜそんなに人気かというと
- 真っ赤なところがイイ!
(赤いモノ、大好きだもんね、人民) - 健康にイイ!美容にもイイ!
(低カロリーだけどケルセチン、アントシアニン、カリウム、食物繊維が豊富だそうです。大陸も健康志向になっていて、美の追求にも余念がないのだ) - 高級感がある!
(ツヤツヤしてて大粒でゴージャスなんだそうです) - 中国のサクランボより甘くて美味しいところがイイ!
(確かに。大陸産って見た目は悪くないんだけど、薄味だった記憶が) - 中国のサクランボは、食べ過ぎるとお腹を壊す!
(そ、そうなんだ……)
みたいなことらしいです。
大陸で消費されている"车厘子"の産地はアメリカ合衆国ではなくチリ共和国。
大陸とチリは2006年にFTA(自由貿易協定)を結んでいて、以来チリはせっせと大陸に食料を供給しているのです(輸出のおよそ4分の1が大陸向け)。
中でも近年のヒット商品が"车厘子"。大陸では「チリの"车厘子"は世界一美味しい」と認識されているらしい。
唯一の欠点は高価なことだそうで、1粒=1元(約17円)前後で売られているんだとか。うん、大陸産よりだいぶ高そうだ。しかも人気のせいで値上がり傾向なんだって。1粒=5元(約84円)の高級品も存在するそうで、平均的な人民がパクパク食べられる値段ではないってことですね。
大陸産のサクランボと言えば、個人的には、リヤカーに山積みになったやつを農村の人が道端で量り売りしてるイメージ。農薬がいっぱいかかってそうだから、終日流水に浸してから食べてました。
そういうのに比べれば"车厘子"は、それこそ赤い宝石なんでしょうけど、でも輸入サクランボより国産のほうが美味しいし安全だ!と言える日本でよかった……なんてふと思いました。
コトバは生き物です。上記はあくまでも現時点で主流の言い方です。