毎日一語、中国語~金の卵を産むニワトリ
まだ辞書に載っていない中国語の新語をひたすら書き連ねていきます
金の卵を産むニワトリ(The Hen that Laid the Golden Eggs)
きんのたまごをうむにわとり
イソップの寓話に由来する言葉です。
ある日貧しい農夫はガチョウが産んだ金の卵を発見する。ガチョウは毎日1個ずつ金の卵を産み、農夫は卵を売って少しずつ豊かになる。一度に大金を手にしたいと考えた農夫はガチョウの腹を切り裂くが、そこに黄金はなくガチョウは死んでしまった。
という話でした。
元ネタはガチョウですが、グリム童話などニワトリバージョンもあるようです。豆の木を登ったジャックが巨人から盗み出したのもニワトリでしたよね。
卓球の愛ちゃんが言われて傷づいたとされる「金の卵を産むメンドリ」、中国語ではどう言うんでしょーか。
下金蛋的母鸡
"下蛋"(卵を産む)は"生蛋"でも可。
中国語圏でもガチョウじゃなくてニワトリなのかーと思ったら、なんとウイグル民話に『金の卵を産むメンドリ』というお話があるんだって!
でもストーリーはイソップ版とだいぶ違います。
- 金の卵を産むメンドリを見つけた樵(きこり)は、卵を店に売りに行く。金の卵が売れたので、樵はメンドリを家に連れ帰り大切に飼う。
(ここまではイソップと同じですねー)
- 金の卵を買い取った店主は、ある言い伝えを信じていた。それは「金の卵を産むメンドリの頭を食べた者は王様になれる」という言い伝えだった。
(新展開!)
- 店主は不倫相手である樵の妻をそそのかし、樵が外出するように仕向ける。
(なんとー!)
- 妻はメンドリを殺して料理し、不倫相手の店主を呼びに行く。そこへ樵の息子たちが帰宅し、兄はメンドリの頭の部分を、弟と下男は手羽の部分をそれぞれ食べてしまう。
(身の部分は食べないんですね。遠慮?食習慣?)
- それを知った店主は激怒し、樵の妻を介して下男に兄弟を殺すよう命じる。しかし下男は兄弟を逃がし、自身も姿をくらます。その後いろいろあって、兄は国王から後継者に指名され、王様になる。空飛ぶじゅうたん、魔法の杖と帽子を手に入れた弟は、兄と再会して大臣になる。
- 兄弟はそろって父親(樵)を迎えるために実家に戻る。殺したはずの息子たちを見た母親は驚いて死に、兄弟と父親は空飛ぶじゅうたんに乗ってめでたくお城に帰りましたとさ。
というお話でした。参考:下金蛋的母鸡_百度百科
この話、とっても面白いんですが、中国語圏ですごくメジャーというわけでもないらしい。やはりイソップのほうが有名です。
イソップ版の教訓「人間、欲張ってはいけません」は、中国語圏でもよく知られているところです。でも、愛ちゃんが傷ついた言葉は"你就是我們家能下金蛋的雞"だとされているので「金の卵を産むメンドリ」を「金のなる木」的な意味で使ったんでしょう。
だったら、"你才是我們家的福神!"とか言ってあげたほうがよかったのに。福原の福とも掛かってるし。
愛ちゃんは台湾で夫妻そろって広告に出演していたそうですね。その広告が一斉に撤去されたという報道は、ちょっと悲しい;; その代わりというわけでもないでしょうけど、今度はリン・チーリンさん・AKIRAさん夫妻が広告出演をしたんですね。このお茶、日本でも売ればいいのに。
リン・チーリン、夫AKIRAとCM初共演 中国語セリフ「一緒に練習」 中央社フォーカス台湾
コトバは生き物です。上記はあくまでも現時点で主流の言い方です。