毎日一語、中国語~キャッシュレス社会
まだ辞書に載っていない中国語の新語をひたすら書き連ねていきます
キャッシュレス社会(cashless society)
硬貨や紙幣を使わなくても決済ができる世の中のこと。
キャッシュレスと言うと「なんとかペイ」なイメージですが、小切手や手形やデパートの商品券だってキャッシュレスっちゃーキャッシュレスなのかな?
キャッシュレスかキャッシュレスじゃないかの違いは
- 現金:決済の記録を残さなくても取引可能
- キャッシュレス:決済の記録が必ず残る
と理解してるんだけど、どうなんでしょう??
无现金社会 /无现钞社会
無現金って、最初見た時おカネのない貧乏な状態のことかと思いましたがキャッシュレスのことでした。
キャッシュレス社会は米国で提唱された概念だそうなので、英語からの直訳だと思われます。"现钞"も現金のことでですが、"无现钞社会"という言い方は、ややマイナーですね。論文なんかには多いようですが。
ご存知のように、中国大陸は「キャッシュレス先進国」と言われています。人民はキャッシュレス社会に抵抗のない人が大部分なので、キャッシュレス先進国(无现金发达国家)と呼ばれることにピンときてないみたいですよ。逆に先進国はどうして現金にこだわってるんだろう?と思ってるみたい。
- 中国はニセ札がたくさん流通しているから紙幣の信用度が低い。だからスムーズにキャッシレスに移行できた。
という説がありましたが、なんか違う気がします。確かにいちいちニセ札かどうか確認するのは面倒でしたけど、ハッカーさんもいるしニセのQRコードだってあるわけでしょ。(QR決済に潜むリスク、中国で偽コード使う詐欺 日本経済新聞 2019-04)
- 中国人は基本的に政府を信用していない。政府発行の紙幣も信用していないからキャッシュレスが進んだ。
という説もあった気がします。これもおかしい。人民元建ての決済である限り、中国人民銀行と切り離すことはできません。
大陸メディアは「キャッシュレス社会になって困るのは犯罪者かマネーロンダリングを企む悪人くらい。キャッシュレス化を進められない先進国は、時代から取り残されるだろう」みたいな論調です。
でも人民が抵抗なくキャッシュレス社会を受け入れた最大の理由は、プライバシーの観念が薄いからだと思うんだよねー。監視されることに慣れてるというか。だってキャッシュレス決済をすれば記録が残って筒抜けなわけですから。
いやいや、別に監視されて困るほどお金持ちじゃないから、別にいいよ!という意見もあるでしょうが、それでもなんとなくイヤじゃないですか。お財布事情を他人に知られるのって。
あ、そう言えば中国留学のガイド本かなんかに「中国人は初対面でも年齢や収入を聞いてくるが、中国ではそれが普通なので、聞かれてもびっくりしないように」とか書いてあった気がするなあ。私も北京のアパートにいた「エレベーター小姐」(小姐と言ってもおばちゃん)に「何号室に住んでるの?何人で住んでるの?家賃いくら?」と何度も聞かれたし。
まあ隠したいほどおカネを持ってる人民は、これまで通りゴールド(金)にしてるでしょうね。それかデジタル人民元が本格普及する前に、大急ぎで海外に資産を移してると思う!
コトバは生き物です。上記はあくまでも現時点で主流の言い方です。