毎日一語、中国語~もふもふ、モフる(オノマトペ)
まだ辞書に載っていない中国語の新語をひたすら書き連ねていきます
もふもふ/モフモフする/モフる(fluffy/rub)
動物やぬいぐるみなどの表面が柔らかそうな毛や羽で覆われていて手触りがよさそうな様子、または実際に触ってみて手触りがよいことを表すオノマトペ。形容動詞的に使われる。たぶん2000年代から使われるようになった新語と思われるが初出は不明。
「モフモフする」、「モフる」は動詞形。擬態語なので「もふもふする」、「もふる」と平仮名で表記すべきだが、さすがに読みづらいです。
毛茸茸的 /抚摩
日本語の「もふもふ」は新語ですが、"毛茸茸"、"抚摩"は辞書にも出ている言葉です。
「もふもふ」の中国語、"毛茸茸"
中日辞書には
- (動植物の)毛のふさふさしているさま.細い毛がふかふかしている.
- 彼女は毛のふわふわしたペルシアネコを飼っている.
のような解説しか載っていないので(あたりまえ)、あえて新語として取り上げますよ!
"茸"は生え始めの柔らかい毛や葉が密生している様子。それが"毛"とくっついたABB式的词语("热乎乎"、"黑洞洞"みたいなやつ)です。"毛茸茸"は、ほとんどの場合"的"を伴って形容詞として使われるので、"毛茸茸的"で覚えておけばOK。
でも"毛茸茸的"は植物にも使えるので、日本語の「もふもふ」とは範囲が違います。「もふもふの芝生」とは、あまり言わないですもんね。
実はこの"毛茸茸的"=「もふもふ」。あるネトゲの翻訳をしていた時に思いつきました。
プレイヤーが司令官になって美少女戦士たちを指揮して戦うという艦これっぽいゲームでしたが、その中に、「美少女にプレンゼントをして好感度をあげよう!」みたいな育成要素がありまして、そのプレゼント用アイテムに、ぬいぐるみがあったんですよ。
そのアイテムの説明が、"毛茸茸的尾巴让人毫无抵抗力!"みたいな感じだったので、これは「もふもふ」だね、「もっふもふのしっぽにキュン死しそう!」だね、と思ったわけです。
で、その後数年間、「あれは上手い訳だったな~」とうぬぼれていたところ、定番訳になってたんですね、"毛茸茸的"=「もふもふ」。
参考:毛茸茸(《宝可梦》系列游戏中的特性)_百度百科
(もふもふ 「ポケットモンスター」シリーズの「とくせい」)
誰でも思いつく訳語でした。
「モフモフする」、「モフる」の中国語、"抚摩"
"抚摩"は動詞で「なでる」の意味。奇しくも日本語の「もふ」と音が似ています!
ただし、新語ではないので"我经常抚摸狗狗"を「もふもふ」を使わずに「しょっちゅうワンコをなでている」と訳せば、いたってフツーな感じ。「しょっちゅうワンコをモフってる」と訳さなければ新鮮味がありません。
"毛茸茸的"とダブルで使って、"抚摩抚摩毛茸茸的肚子"(もふもふのお腹をモフモフする)でもいいですけどね。結局訳し方ひとつってことですね。
あ、"抚摩"する対象は、もふもふなもの以外でもOKなので、そこも「モフる」とは範囲が違います。
コトバは生き物です。上記はあくまでも現時点で主流の言い方です。