毎日一語、中国語~おもてなし
まだ辞書に載っていない中国語の新語をひたすら書き連ねていきます
おもてなし
2020オリンピック開催都市最終選考での某元女性キャスターのスピーチをきっかけに、中国でも話題になった言葉。2013年の出来事でした。
设身处地、挚诚待人
待客之道
款待哲学
などの訳語が充てられました。もちろん定訳はないのですが、個人的には1つめの8文字バージョンが好きですね。
まず「お・も・て・な・し」のリズム感と、中国人が好きな4文字言葉×4文字言葉に統一感を感じます。设身处地は「相手の立場や境遇に立つ」、挚诚待人は「心を込めて人に接する」なので、意味もぴったりではないですか。さすが中国だ~と感心してしまいます。
「もてなす」→「もてなし」のように、動詞を名詞化した言葉は、中国人から見ると違和感があるそうです。「なんか足りない、後ろになんか付けたい」みたいなw
昔、通訳スクールの先生(中国人)が、こういう動詞の名詞化を「言いっぱなし」と言っていたなあ。目的語がない、動詞だけ、完結していない、という意味だと思われます。たぶん。
「駆け込み」とか「ひじ掛け」とか聞くと、「どこに駆け込むの?何にひじを掛けるの?」とムズムズするとか。そのせいか、2つめの中国語訳なんて、動詞+目的語→名詞化で、きっちり〆てますね。
念のため東京2020公式サイトの中国語版を確認しましたが、「お・も・て・な・し」は特にフィーチャーされてませんでした。でも
“以最大的热情款待四方来客”
“热情好客”
という表現は見つかりましたよ。
やっぱり本場の中訳のほうが上手っぽい。
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コトバは生き物です。上記はあくまでも現時点で主流の言い方です。